英語って難しいよね(5):英文メールのお作法
結構勘違いしていたことが多く、習っていて頭を抱えたのでメモ。これをお読みの皆さんは同じような失敗をしないですみますように。
文頭
Hi Bob が基本。外部の人間で改まる必要がある場合はDear Bob。Dear Mr. Smithはかなりの距離感を感じさせる表現であるらしく、Eメールではあまり使わないとのこと。
また、Hi Bob, または Dear Bob, とカンマ付きで書き始めた場合、最後のBest regards, Kind regards, もカンマ付きで締める。Hi Bob とカンマ無しではじめたら、最後もKind regard でカンマ無し。ちなみに、カンマ付きの方がold styleで、最近のトレンドはカンマ無しなのだそうだ。
書き始め
たまに「英文は突然用件から書き始めて良い」と言ったコメントを目にするが、海外にだって礼儀はある。もしミーティングで会った相手にメールを送るなら、Thank you for the interesting discussion about.... くらいの挨拶はしておかなければ失礼になる。原則はpositiveなトーンで始めてpositiveなトーンで締めること。
人にものを頼むとき
悪い例は I want to confirm the delivery of the book I require. みたいな文章。上から目線にもほどがある。
とりあえず、requireは文字通り「要求する」という感じになるので、自分が相手に1億円を稼がせている上得意でもなければ使ってはいけない。無難なのはask、requestなどだけれど、これらは「相手にYes/Noを選択する権利がある」ことを示唆する言葉なので、相手に選択の権利など無い!と思っているとき、Noなどと言われては困るときには使わない方が無難。こういうときには、...the book I need. と、自分の動作で置き換えてしまうことで、相手に対する命令のニュアンスを消すことが出来る。ちなみに、出来のいい文章とは、
I thought it might be useful to confirm the delivery of the book I need. とか。ただし、これは多分イギリス流で、アメリカならI would like toでもビジネス英語として十分通用しそうな気がする。
同様の理由で、I wish to meet with you...よりもI look forward to meeting you の方がよい。
まずwishには「叶わない願いを願う」というニュアンスがあるので(イギリスの場合は単なる願いの意味もあるが)避けた方が無難。また、A meets with Bは、AとBとの身分に何かhierarchicalな関係がある場合に使う表現なので避けなければならない(AとBどちらの身分が上でもこの表現になる)。
Please send me...のような単純な文章はつい使いたくなるが、これもかなり「命令」の度合いが強い文章なので、使う際には注意を要する。もっとひどいのがKindly send me..と、Kindlyを使う場合。pleaseよりも慇懃無礼な表現の上に時代がかっている。「今時はtaxmanくらいしか使わない」とのこと(Kindly pay the following amount by.... など。Or you will be summoned!という強制力をもった文が後に続くわけだ)。
とりあえず無難なのがcould you...で始める文章。この文にpleaseまで付けるのは少々やり過ぎではないか、というのが先生のコメント。Could you "please" do....と書くと、読み手の読み方次第でpleaseに妙にいやみったらしい語感がつきまとうため。
忙しいんだけどそこを何とか、という表現を込めたいなら、以下の文章が便利。
- I know you are busy, but...
- I know this is a lot of work, but...
- I apologise for the tight deadline, but...
人に説明したいとき
I would like to inform you は避けるべき。informはかなりhierarchicalな表現。何を偉そうに、と思われかねない。I would like to tell you にも、informほどではないが同様のニュアンスがあるので、避けた方が無難。Can you tell me...のように、相手の行動に対して使う場合は問題ない。
上下関係を気にせずに使えるのはupdate。使い勝手がよいので最近はかなり頻繁に使われるらしい。
結びの言葉
ビジネスEメールであれば次の3つ。下に行けば行くほどカジュアルになる。
- Kind regards
- Best regards
- Regards (Cheers: イギリスのみ)
Regardsはinformalなので、相手のことをよく知っている場合にのみ使うのが原則。Kind regardsがもっともスタンダードなので、迷ったらこれにしておくのが吉。
Eメールではなく、少し畏まった英文レターを送る場合は、以下の4通りの可能性がある(以下のものはイギリス流で、アメリカだとSincerely yours、と順序が逆になる)。
- Yours sincerely
- Yours truly
- Yours faithfully
- Yours aye
最後のayeというのはスコットランド語で、スコティッシュ専用だそうだ。この中で、2番目のYours trulyは死語になりつつなるので、実質的には2つ。Yours sincerelyはDear Mr. Smithのように、名前を知っている相手に対して使う。Yours faithfullyは、Dear Sir or Madamとか、名前を知らない相手に対して書き送る場合に使う。
ちなみに、英文レターでも、Kind regardsは十分通用する。
それから、もし頼み事をしたのであれば、これらの結語を書く前にMany thanks,とかThank you in advanceとかは書いておくべき。これが無い英文メールはあまり見ないので、その文だけ忘れると目立ちそうな気がする。