英語って難しいよね(3):"quite"の使い方

ごく最近までquite≒veryだと思って使っていたのだが、たまに話が通じなかったり空気が微妙になったりするのは自覚していた。今日になってその理由をようやく理解したので、忘れないうちに書いておきたい。


quiteの一番単純な使い方は、impossibleやperfect、uniqueといった絶対的(相対的な度合いを意味するものではない、という意味で)な意味合いを持つ単語を強める使い方。completely、absolutelyと同意。


ところが、quiteを度合いを示す形容詞と併せて使う場合、意味が全く変わってくる。原則的には、quiteは肯定文の「度合いを示す形容詞」に付加して、「まあまあ・ある程度(多い・高い)」と言った意味づけをする。形容詞を強める度合いとしては、fairly < quite < rather < pretty の順。(ちなみに、fairlyはto some extent but not very、の意。)


"quite a few"はこの意味で使われる。「a few:多少」が強められて、「結構多い」といったニュアンスに。逆に"quite few"だと、fewは「絶対的に少ない」といった意味合いなので、quite=absolutely となり、きわめて少ない、という意味になる。なお、a+形容詞+名詞の組み合わせにquiteを使う場合は、quite a [形容詞+名詞]となる。This is quite a small house.など。


面倒なのは、形容詞次第でquiteがcompletelyとfairly両方の意味を持つ場合があること。quite easyは「まあまあ簡単」にもなるし、「とても簡単」にもなる。これは文脈と発音で区別する(quiteにアクセントがあれば「まあまあ」、その後の形容詞にアクセントがあれば「とても」になるらしい)。goodやinterestingといった単語でも両方の意味があるので、"your presentation was quite interesting"という表現は使わない方が無難。発音を間違って「まぁまぁ面白かったよ」などと受け取られた日には目も当てられない。


ただし、この使い分けは主にイギリスのもので、アメリカではquite=veryと考えてしまって問題はない模様。アメリカでは、prettyという言葉が「まあまあ fairly」「とても very」の2つの意味を持つので、使う際には注意が必要。


なお、上では「肯定文に限る」と書いたが、否定的な(度合いを示す)形容詞にquiteを使うことも出来る。この場合、"quite difficult" = "a bit difficult"のように、quiteが付くと否定の度合いが弱められる。(quite difficultをvery difficultの意味で使って怪訝な顔をされた理由が今ならよく分かる。)ただし、"really quite difficult"の場合は、"really difficult"が絶対的な形容詞であるとの解釈から、"absolutely difficult"の意味になる。 

  • Is he not doing quite well? = He is doing quite well, isn't he?
  • Is he doing quite well? = He is not doing very well, is he?

ここで"He is no doing quite well"にはならない点に注意。


正直、ここまでややこしいと危なっかしくて使う気になれない(アメリカ人相手なら問題なさそうだが、アメリカ人とイギリス人の区別など出来ないし、prettyとまとめてお蔵入りにしておくのが正解のような気もする)。